松城に大規模な堀が掘られたのは15世紀前半頃と考えられますが、発掘調査で見つかった遺構のなかには出土した遺物などから、それ以前の遺構もあり、築城以前にすでに富松城の範囲内に建物等があったことがわかります。

D地点の堀
富松城跡第3次調査(D地点の堀)
D地点から出土した片口鉢
D地点から出土した片口鉢

地点(富松城跡第3次調査)で見つかった大規模な堀の東側で検出した溝は、出土した遺物から堀以前に掘られた遺構と考えられましたが、E地点(富松城跡第10次調査)では溝の南延長部分が見つかり、堀が掘られた時期にはすでに埋まっていたことがわかり、築城以前の遺構であることが確認できました。
 さらに、F地点(富松城跡第14次調査)ではこの溝は南北方向に約50m以上にわたってほぼ直線的に続いていたことが確認されました。
 また、E地点で見つかった掘立柱建物と土坑1・2は溝よりもさらに古い遺構で、出土した遺物から14世紀代と考えられます。
E地点より出土した足釜
E地点より出土した足釜
E地点の掘立柱建物
E地点の掘立柱建物

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