
伝説の「茨木童子」という鬼が、富松の里に生まれ、大阪の茨木に捨てられていたところを酒呑童子に拾われ養われたと元禄14年(1701年)に刊行された『摂陽群談』に記載されています。
成長後の童子を知る文献としては、平家物語(剣の巻)、お伽草子(酒呑童子)や羅生門などにでてくる話で、後に歌舞伎「茨木」や文楽の「戻橋」などに渡辺綱と大たちまわりする鬼として、親しまれてきました。
歌舞伎や演劇により多少の脚色はあるとは思いますが、概ね「茨木童子」の人間性?が表現されているものとの解釈から茨木童子や酒呑童子の伝説は、色々と面白い説話だと感じられます。
茨木童子の人間性と記したのは、ある説によると、茨木童子や酒呑童子は都を荒し、夜な夜な出没する恐ろしい鬼ではなく、元は比叡山にて修行をしていた雑役僧とも言われており、その修行の厳しさに耐え兼ね比叡山より逃げ、八瀬に降り立ち、食を得るために都に出没していた者達だとも伝えられています。雑役僧は、修行の浅さからか・・結髪が認められず、長く髪を伸ばした様子であり、また世を極める以前の子ども程度であったために童子とも言われていたようです。
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