災害や疫病などがないことを祈り、また、子どもたちの健康と成長を願って2月節分の夜、富松神社で豆まき行事が行われる。一年間の無病息災を願って集まってくる参拝者の前に赤鬼・青鬼があらわれ、厄払いをしてくれる。境内での豆まき後、富松の鬼たちは町内の家々をまわって福を招き入れてくれる。

毎年4月8日はお釈迦様の誕生日を祝う法要。天と地を指したお釈迦様像に、子どもたちが甘茶を注いでお祝いする。これは生まれたばかりのお釈迦様の身体に、龍が天から清水を降らせ産湯をつかわせた伝説に由来する。

江戸時代末頃から米作に菜種や綿の生産、明治から昭和初期にかけてソラマメの栽培が盛んとなる。一粒が一寸(約3.3センチ)もあり、煮ると皮も柔らかく、味も美味しい豆ということで富松一寸豆と名づけられ、全国的に有名な特産物となった。豆の収穫期の5月中旬には、富松神社境内でゆでた豆を振舞う「一寸豆祭り」が行われ多くの人で賑わう。
毎年7月26日は、富松神社で夏の風物詩、富松薪能が行われる。地元の観世流・山村啓雄さんが主催する「山村雄研社」と「富松薪能の会」が1980年(昭和55年)から行う伝統行事で、市内外から多くの薪能ファンが鑑賞している。かがり火に照らしだされた幽玄の世界と千年以上の歴史をもつ伝統芸能の魅力が人びとに安らぎを与えてくれる。

富松の旧村の辻辻にお地蔵さんが祀られ、人びとの信仰心の篤さがうかがわれる。地蔵尊は子どもを守ってくれるということで、毎年8月24日の地蔵盆には、近所の子どもたちが小さな手を合わせてお参りする。

毎年10月10日は、富松神社の秋の大祭。昔は奉納相撲大会が盛大に行われていたが、今は、子どもダンジリが地区を元気にねり歩き、祭りの主役となる。稲の豊作と収穫に感謝する秋祭りは、昔から地域の大イベント。神社前には、のぼりや約200張の提灯が「宮前本通り振興会」により献灯され、祭りのムードを盛り上げる。